イシクラゲの駆除・除去・退治をどう行ったか

たぶんここに辿り着いた方の多くは、イシクラゲに困っている、あるいは悩まされている方々だと思います。

なので、『イシクラゲ』とは何かという説明は割愛させていただきます。

それ以外の方で、もし『イシクラゲ』とは何か知りたい場合は、『ウィキペディア(Wikipedia)』のイシクラゲのページ(クリックもしくはタップで移動します)をご覧ください。

 

さてここから、イシクラゲの駆除・除去・退治をどのように行っているかを解説していきます。

イシクラゲの駆除・除去・退治 その方法の模索

見て見ぬふりをして後悔した・・・もっと早く駆除に乗り出していれば

 イシクラゲの発生場所 : 実家(造園業)の資材(庭石)置き場

 

資材置き場の面積は、まあまあ広い。

どのくらい広いかというと、除草剤を9Lの噴霧器でしっかり撒くとだいたい3回分(27L)くらいかかる。

一般家庭ではそんなに除草剤を撒くことはないだろうけれど、戸建ての家が、5~6棟ほど建てれそうな敷地の広さと言えばイメージできるかな。

そのくらい広い。

 

実家に行く度に少しずつイシクラゲが増えていて、雨上がりのある日に資材置き場を歩いていたら、イシクラゲで足を滑らせてしまった。

そのくらい増えてしまっていたので、これは何とかしないとヤバいと思い、駆除(除去)に乗り出したのが10年くらい前か。

 

このサイトは、その途中経過を記したものだ。

早い話が、まだ完全駆除(除去)には至ってはいない。

その理由は後ほど記す。

 

発生場所である資材置き場の環境を少し書いておこう。

 

資材を置いていない部分は人や車両が通るため、ぬかるまないように砂利や小石が敷いてある。

雨が降った後に何か所か水たまりになる部分がある。

イシクラゲの繁殖している場所は、おおむね日当たりが良い場所が多いような気がする。

 

以前はまったくイシクラゲは見なかったので、おそらく人の足か車輛、または資材に付いたイシクラゲ本体かその胞子が、資材置き場に落ちて成長・繁殖したものだと思われる。

駆除(除去)の第一段階

とにかく繁殖している範囲が広いし、イシクラゲの量も多そうだった。

なのでまずは物理的に量を減らそうと考えた。

そして左手にバケツ、右手にトングを持って資材置き場に立った。

 

トングでイシクラゲを摘まみ、次々とバケツに入れた。

拾ったイシクラゲで、すぐにバケツが一杯になった。

「バケツが一杯になったら、それを一輪車に空ける」を何回も繰り返した。

一輪車に山盛りのイシクラゲが集り、それを乾燥後焼却して処分した。

 

(※注)

第一段階のこの作業は、イシクラゲ除去の基本である。

どの段階においても、増えすぎたイシクラゲに対しては、この作業を行うことを前提としているので、よろしく。

なお、拾う時のコツは、イシクラゲが湿気を帯びている時に摘まみ上げることだ。

そうすると、割とまとまった状態で取れる。

乾いてパリパリしている時は割れやすく、摘まみ上げる時に細かくなってしまうので、触らない方が賢明だと思う。

 

第一段階では、大まかにイシクラゲを拾っただけなので、残っているイシクラゲは目視で確認できる状態。

まだまだ先は長い。

それで、次の対策を考えた。

駆除(除去)の第二段階

繁殖範囲が広いしとても拾い切れない。

薬品の散布で何とかならないかと考えたのは当然の帰結。

 

当時ネットで調べたら、今ではその薬品名を忘れてしまったが、イシクラゲを枯らすことができたという殺菌剤の記事を見つけた。

いろいろと調べたら、その殺菌剤は何年か前に製造を中止していて、残念ながら手にすることができなかった。

でも、その薬品と似たような成分を使っている殺菌剤なら何とかなるのでは?と考えた。

似たような成分を使った殺菌剤をネットで調べ、これは?と思った殺菌剤2種類を取り寄せて、それを試しに散布してみた。

・・・が結果は、まったく枯らすことができなかった。

 

次に同じくネットで、イシクラゲの駆除に効果が見込まれるとの情報があった木酢液を散布してみることにした。

 

言い忘れていたが、イシクラゲに薬剤を散布する場合に、守らなければならない条件がある。

それは、薬剤を散布する場合に、雨が降った後でイシクラゲが充分に水分を含んで膨潤状態(膨らんでプルプルしている状態)で行うこと。

イシクラゲが乾きかかったりしていると、薬剤の効果はあまり期待できない。

ましてや完全に乾いた状態のイシクラゲに、どれだけ薬剤を散布しても効果はない。

薬剤の無駄遣いなので、ご注意を。

 

さて木酢液散布についてだが、ネットで散々調べてみても適切な希釈倍率が分からない。

確かにイシクラゲに効果があったという記事は散見するのだが、不思議と希釈倍率までは書いていない。

薄いと効かないのは明らかなので、とりあえず殺菌効果があるとされる100倍より濃い濃度の約20倍に希釈して散布することにした。

 

結果としては、膨潤状態のイシクラゲに木酢液の希釈液を「これでもかぁ~!」と充分に散布できた所は、何日かすると黒っぽかった色のイシクラゲが次第に枯れたように黄色く変色してきて、雨が降っても膨らまなくなって目立たなくなったので、たぶん絶えたのだろう。

ただし完全な膨潤状態でないと、効き目はイマイチかも。

 

木酢液効果でかなり減ったイシクラゲだけど、しばらくすると完全に枯れていなかったものや、水たまりの中で生き残ったもの、石の隙間などにあって充分に木酢液がかかってなかったものが、また繁殖し広がり始めた。

駆除(除去)の第三段階

他の薬品でイシクラゲの駆除に効果的なものはないかと探していると、氷酢酸なるものがイシクラゲに効果テキメンらしい情報をキャッチ。

木酢液に比べるとかなり割高だったが、試験的に散布してみることにした。

 

その情報によると、15倍までの希釈にしないと効果が薄いとのこと。

500mlの氷酢酸原液を買っていたので、15倍希釈で7.5リットル。

9L 噴霧器一杯にも満たない量なので、全域に散布するにはまったく足りない。

なので、イシクラゲの繁殖の著しい箇所だけを集中的に散布することにした。

 

木酢液はじんわり効いてきたのに対して、氷酢酸は一週間ほどで黄色く変色した。

確かに効果はテキメンだったが、全体を何回も散布するにはコスパがまったく合わないし、劇薬なので取り扱いに注意しなくちゃいけないので、イシクラゲ対策にはボツに。

 

その後イシクラゲが繁殖し始めると、木酢液の希釈液の散布でしばらく対応することにした。

駆除(除去)の第四段階

雨上がりでイシクラゲが膨潤状態でないと薬剤の散布ができないので、なかなか自分の都合とタイミングが合わず、しばらく手付かずの日々が続いていたある日。

 

時間がある時に、たぶん「イシクラゲ 退治」とかいったキーワードで検索していたのだと思う。

その検索結果から、住友化学園芸のサイトの『雑草ナビ』の難防除雑草の対策のページ(https://www.sc-engei.co.jp/weed/provision.html)に辿り着き、そこにある一文に目が行った。

 

“イシクラゲには殺菌剤のオーソサイド水和剤80を300~500倍に薄めてジョロなどで散布します。”(原文のまま)

 

おおっ~!ありがたや、ありがたや。こういった情報が欲しかったのよ。

個人サイトの真偽が怪しい情報ではなく、薬品メーカーの公式な情報。

これは確かだろう。

 

近くのホームセンターでオーソサイド水和剤80(箱入り内容量50g 計量スプーン付)がすぐ手に入ったので、次の雨の日を待ってその翌日に400倍に希釈して散布してみることに。

効き目はというと・・・あれ?ホントに効いてる? というくらい即効性はない。(散布した時期や環境にもよるかもだけど)

もしかすると、もっと濃い300倍だったら少しは早く効いてたかも知れないけどね

 

因みに400倍に希釈する場合、水1L に対して付属の計量スプーン(たぶん2.5ml)にすり切れ2杯分(約2.5gらしい)のオーソサイド水和剤を混ぜ合わせるだけなので、非常にコスパが高い。

資材置き場の場合は噴霧器に何杯も希釈液を作ることになるので、50gではすぐになくなってしまうと考え、500g入り袋のオーソサイド水和剤80を買い足した。(これには計量スプーンは付属していないのでご注意を)

例えば、噴霧器で散布するのが面倒な時とか、自分の都合がつかなくて家族(実家の母親)に頼む時など、ジョウロを使ってピンポイント的に撒いたりしている。

一回で使う薬剤が多くないので、いちいち希釈液の量を気にすることなく使え非常に重宝してる。

 

そんなに広い場所を散布する必要がない人は、作る希釈液の量もそんなに多くないだろうから、50g入りのオーソサイド水和剤80で充分かと。

 

ところで、12月2日にオーソサイドの400倍希釈液をイシクラゲに散布した。

そのイシクラゲを2021年の12月中は経過観察している。(完全に枯れるまで観察・撮影するかも)

下にその写真を載せておくので、イシクラゲが枯れていく様子を参考にしてみてね。

2021年12月2日のイシクラゲの駆除の様子(薬剤散布直後)
2021年12月2日 オーソサイド希釈液散布直後
2021年12月12日のイシクラゲの駆除の様子(10日後)
2021年12月12日 実家資材置き場にて
2021年12月25日のイシクラゲの駆除の様子(23日後)
2021年12月25日 実家資材置き場にて

上の写真を見ていただくと分かると思うけど、イシクラゲは枯れ始めているけれど、まわりの草はまったく影響が出ていない。

イシクラゲの駆除に対応している薬剤は他にもあるようだけど、除草剤系の薬剤の場合は、まわりの植物に影響が出る可能性がゼロではない。

オーソサイド水和剤80は殺菌剤なので、余程の高濃度での散布(あるいは真夏などの気温が高い時期での散布)でもしない限り、まわりの植物に悪影響が出ないのではないかと思っている。

ただし薬剤メーカーの人間ではないので、保証はできないけれど。

個人的にはイシクラゲの駆除には、この薬剤(オーソサイド水和剤80)が最適だと思っている。

 

オーソサイド水和剤80は、園芸用品の農薬の取り扱いコーナーが充実しているホームセンターであれば、おそらく置いてあると思う。

JAのグリーンセンターでも、もしかしたら取り扱いがあるかも。

でも小さな園芸店には置いていない可能性が大。

 

イシクラゲでお悩みの方は、まずは箱入り50gでお試しを。(使用上の注意事項をよく読んでからお使いください)

 

もしお近くで売ってない場合は、楽天市場かAmazonで。(下のリンクからチェックしてね)

 

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イシクラゲ 完全駆除の難しさ

ところで、10年以上イシクラゲの駆除(除去)を行っているのに、なぜ完全に取り除くことができなかったのか?

 

まずイシクラゲに薬剤散布するタイミングと、自分の都合がなかなか合わない。

繰り返すが、薬剤を散布する場合は、イシクラゲが膨潤状態にないと薬剤の効果は落ちてしまう。

 

明け方まで雨が降っている場合は良いのだが、気温が高い時期で夜中に雨が降り止んでしまったりすると、陽が昇る頃には水はけの良い場所に繁殖しているイシクラゲだと既に膨潤状態にはなく、陽が当たる場所だと半分くらい乾いてしまっていることもある。

つまり薬剤の効果が、かなり低下してしまう訳だ。

膨潤状態のイシクラゲは枯らすことができても、薬剤の効果が下がって完全に枯らすことができなかったイシクラゲが結構あるということ。

 

また水が溜まりやすい場所に繁殖していることが多いので、そういった場所にいるイシクラゲだと散布しても希釈濃度が下がってしまい、薬剤の効果が下がるというか、ほぼ効かない。

水たまりがなくなって、運良くイシクラゲが膨潤状態になった状態に散布することができればラッキーなのだが。

 

そして一番厄介なのは、目視できる大きさのイシクラゲとその周辺に薬剤を散布はしているのだけれど、目視できない大きさのイシクラゲは見逃す可能性が高いということだ。

さすがに胞子となるとどこまで拡散しているのか分からず、しばらくすると違う場所でイシクラゲが発生しているといった、イタチごっこを何年も続けている。

 

ところが最近、実家の商売を縮小するため資材(庭石)を整理・処分して、資材置き場のスペースがかなり少なくなった。

なので、イシクラゲの繁殖エリアも絞り込めることができるようになったので、近い将来に駆除が完了できるのではないかと少し期待している。

とにかく辛抱強く繰り返し薬剤散布を行うことが、イシクラゲを絶やすことに繋がると信じて。

みなさんも諦めずに頑張ってくださいな。

 

おしまい